論文解説 人気記事
まだデータがありません
論文解説認知科学脳科学内受容感覚神経科学
みなさんこんにちは。Kaibaです。 今回は内受容感覚シリーズの第一回として、その測定方法と脳内のメカニズムについて掘り下げてみます。
内受容感覚を測る
目に見えない感覚をどうやって測るのか。研究では主に2つのアプローチが使われます。
1. 意識的に測る:心拍知覚課題
シンプルです。安静にして、自分の心拍を数えます。実際の心拍数とどれだけ合っているか(Accuracy)をスコア化します。 「自分の体の声にどれだけ耳を傾けられるか」の指標ですね。
2. 無意識を測る:心拍誘発電位 (HEP)
こちらは脳波を使います。心臓がドクンと動いた直後に脳波に現れる特定の反応(HEP)を見ます。 本人が意識していなくても、脳は常に心臓の音を聞いています。その「聞こえ具合」のようなものを客観的に測れるわけです。
脳のどこで処理しているのか
これらの信号を受け取る脳の部位も分かってきています。
島皮質 (Insula)
身体情報の集まるハブ空港のような場所です。内臓からの信号はここに集まり、身体状態のマップが作られます。右の島皮質が活発な人ほど、心拍知覚課題の成績が良いそうです。
前帯状皮質 (ACC)
島皮質が「今の状態」を知る場所なら、ACCはそれに「意味付け」をして「行動」に移す場所です。 「心拍が上がっている(島皮質)」→「これは危険だ、逃げろ(ACC)」という連携プレーですね。
これらはサリエンスネットワークと呼ばれ、私たちにとって何が重要(Salient)かを判断する重要な回路を形成しています。
おわりに
さて、今回はこの辺で筆を置くとしましょう。 自分の脳の中で、島皮質がひっそりと心臓の音を聞いている。そう想像すると少し不思議な気分になりますね。
次回は、この仕組みを使って脳がどのように「予測」を行っているのかについて解説します。 内受容感覚(2):予測する脳
それでは、また。